2016年8月10日水曜日

日本橋(にほんばし)



『日本橋』作品紹介

泉 鏡花 作
齋藤雅文 演出
坂東玉三郎 演出

『日本橋』は昭和の文豪・泉鏡花が大正三年に小説として発表し、のちに自ら戯曲化するほど鏡花自身が愛していた作品です。坂東玉三郎が齋藤雅文と共に新たな演出を考案、そして実に二十五年ぶりにお孝役に臨みました。平成24年の上演時には満員御礼となったこの人気公演が待望の映画化。玉三郎自ら映像制作に参加し、隅々までこだわりぬいた作品に仕上がっています。あくなき探究と研鑽を積み重ね、芸と美を兼ね備えた坂東玉三郎ならではの『日本橋』にどうぞご期待ください。

あらすじ

大正のはじめ、日本橋には指折りの二人の名妓がいた。稲葉家お孝と、瀧の家清葉である。しかしその性格は全くの正反対で、清葉が品よく内気なのに引き替え、お孝は達引の強い、意地が命の女だった。医学士葛木晋三は清葉に姉の俤(おもかげ)を見て、雛祭りの翌日に七年越しの想いを打ち明けた。しかし清葉は、ある事情で現在の旦那以外に男は持たないと固く誓った身のため、葛木の気持ちはよく分かりながらも、拒んでしまう。葛木は傷心の別れの後、雛祭に供えた栄螺(さざえ)と蛤を放つために一石橋へ向かった。そこで偶然お孝と出会い、お孝は清葉と葛木の関係を知りながら進んで葛木に身を任せ二人は馴染みになった。これは清葉に対する意地だった。しかし、お孝には、腐れ縁の情婦・五十嵐伝吾がいた。それぞれの境遇や胸のうちを抱えながら、お互いに惹かれあうが...

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